「最近、顔のシミが気になってきた……」とお悩みの人も多いはず。美容クリニックはお値段が気になるし、忙しくて通う時間がないから、セルフケアでシミを治したい人もいるでしょう。シミには、セルフケアで対処できるものと、美容クリニックに通う必要のあるものがあります。本記事ではセルフケアが有効なシミの種類やシミの原因、メカニズムなどを一挙に紹介します。
目次
シミの種類
シミには美容クリニックなどに通わなくてもセルフケアで対応できるシミと、治療を受けなければないシミがあります。
まずシミにはどんな種類があるのかを表で簡単に見てみましょう。
シミの種類 | 特徴 |
老人性色素斑 |
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肝斑 |
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そばかす |
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後天性真皮メラノサイトーシス |
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炎症後色素沈着 |
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以上のように、シミと一言にいっても種類が様々です。そのため、自分はどのタイプなのかをしっかり把握することで、シミに適切に対応できます。
セルフケアで消せるシミ
自宅でのセルフケアで対応できるシミの種類を解説します。
セルフケアが有効なシミは「老人性色素斑」「肝斑」「炎症後色素沈着」の3種類です。
保湿や紫外線対策、美白スキンケアなどを行いながら、しっかりお肌のターンオーバーをさせてあげれば、シミを消すことができます。
しかし、シミができて長期間経過している場合は、セルフケアで完全にシミを消すことは難しいでしょう。そのため、場合によっては美容クリニックでの治療も検討する必要があります。
セルフケアでは消せないシミ
治療を受けなければならないシミは「後天性真皮メラノサイトーシス」です。
後天性真皮メラノサイトーシスはシミというよりもアザの一種とされており、他のシミと比べて皮膚の深いところ(真皮)に原因があるためセルフケアでは届きません。シミに適切に対応する場合、美容クリニックでの治療が必要です。
そもそもシミの主な原因は2つ
シミができる主な原因は2つです。
紫外線
女性ホルモン
紫外線を長年浴び続けると、皮膚細胞の再生能力が低下して、メラニンを体外へ排出する力が弱くなってしまいます。
また女性ホルモンのバランスが崩れると、メラノサイトと呼ばれるメラニンを生成する細胞が活性化されて黒色メラニンが多く作り出されてしまいます。そのため、妊娠出産直後のホルモンバランスが乱れる時期の女性は、シミができやすい傾向にあります。
その他にも、ストレスでホルモンバランスが崩れてシミが濃くなったり、紫外線で症状が悪化したりすることもありますので「最近シミが濃くなった?」と感じたら注意が必要です。
シミができるメカニズムとは
次はシミができるメカニズムを解説していきます。
①紫外線や刺激からお肌を守ろうとメラノサイトから黒色メラニンを作成
私たちのお肌が紫外線や刺激を受けたとき、肌の表皮の基底層にあるメラノサイトは「お肌がダメージを受けているぞ!守らなければ!」と黒色メラニンを作成します。
これにより、黒色メラニンを含む表皮細胞のおかげで、紫外線や皮膚に対する肌ダメージを未然に防いでいるのです。
②ターンオーバーサイクルが乱れて色素沈着(シミ)になる
黒色メラニンを組む皮膚の細胞は、通常28日周期で新しい細胞に生まれ変わります。
この現象を「ターンオーバー(新陳代謝)」といいます。
しかし、さまざまな原因でメラニンが過剰に作られてターンオーバーの周期が乱れると、結果的に新陳代謝が滞ってメラニン達はお肌に長期滞在することになり、色素沈着(シミ)になってしまいます。
顔のシミをケアするための4つの方法
顔のシミをケアする方法は以下の4つです。
美白化粧水
医薬品
美顔器
美容皮膚科の治療
今、シミができてしまってお困りの人も、今後シミを増やさないためにも、シミをセルフケアするための方法をこれから詳しく解説します。
①美白化粧水
顔のシミをケアするための方法1つ目は「美白化粧水」を使うことです。
毎日のお手入れに美白成分を配合した化粧水を取り入れることで、メラニンの生成を抑えてシミやそばかすを防いでくれます。
購入する際は、以下の成分が配合されたものがおすすめです。
おすすめ成分 | 効能 |
| メラニンを生成する酵素(酵素チロシナーゼ)を抑制 |
| メラニンの生成指令を抑制 |
| メラニンの生成を抑制 |
| メラニンの排出を助ける |
②医薬品
顔のシミをケアするための方法2つ目は「医薬品」を使うことです。
医薬品とは、配合されている有効成分に主に「治療・予防」の効果・効能が認められているものになります。
医薬品と聞くと美容クリニックで処方されたものをイメージする人も多いかと思いますが、ドラッグストアなどで購入できる商品でも、シミをに対処することができます。
③美顔器
顔のシミをケアするための方法3つ目は「美顔器」です。
美顔器と聞くと「小顔」というイメージが強いですが、実はシミに有効な美顔器もあります。
美顔器の種類 | シミへのメリット |
イオン導入器 |
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LED美顔器 |
|
美白成分を肌の奥まで浸透させたい!という人はイオン導入器、お肌の新陳代謝を上げたい!という人はLED美顔器の使用をおすすめします。
④美容皮膚科の治療
顔のシミをケアするための方法4つ目は「美容皮膚科の治療」です。
濃いシミや、セルフケアでは対処できないシミがある場合は、美容皮膚科の治療が得策となります。
シミに関する美容皮膚科での治療法は「ケミカルピーリング」「ピコレーザー」「エレクトロポレーション」の3つが挙げられます。
美容皮膚科の治療法
次は上で紹介した3つの美容皮膚科での治療法についてです。
価格に関しては美容皮膚科ごとに差がありますので、一つの例としてご覧ください。
美容皮膚科の治療法①ケミカルピーリング
ケミカルピーリングは、薬剤をお肌に塗って皮膚表面の古い角質を除去する治療になります。このケミカルピーリングを繰り返し行うことでシミを徐々に薄くする効果が期待できます。
施術頻度の目安は2~4週間に1回で、6回ほどで効果が出始めます。施術後は、かゆみやピリピリ感、赤みが出る場合がありますが、2,3日で落ち着くことが多いです。
美容皮膚科の治療法②ピコレーザー
ピコレーザーとは、ピコ秒(1兆文の1秒)のレーザーをシミにピンポイント照射することで、シミを除去する治療法です。
1回で効果が出る人もいますが、5回~10回ほど施術を受けると効果を実感しやすいです。
その他のシミ取り治療と比較して、短時間でシミを除去できるというメリットがあります。しかし、低リスクではありますが、人によっては炎症後色素沈着を起こす可能性もあるため、治療後は医師の指示に従いましょう。
美容皮膚科の治療法③エレクトロポレーション
エレクトロポレーション(電気穿孔法)は、専用のマシンを使用して一時的にお肌の細胞に穴をあけて、そこから美容液を注入することにより、浸透率を高める治療方法です。2~4週間に1回の施術が効果的で、6回ほど受けると効果を実感しやすいです。
美顔器の一種であるイオン導入器と比較すると、約20倍もの浸透率とされており、シミはもちろん乾燥・小じわなどにも効果が期待できます。
まれに導入する成分が肌に合わず、アレルギー反応を起こし赤みやむくみなどが出るケースがあります。心配な方は、カウンセリング時にアレルギーや持病について、しっかりと話し合いましょう。
今からできるシミ消し対策法
次はできてしまったシミはもちろん、今後シミを悪化させない・増やさないためのセルフケア方法を4つ解説します。
①医薬品でシミを薄くする
シミを悪化させないセルフケア方法1つ目は「医薬品でシミを薄くする」ことです。
先ほど紹介した通り、市販で販売されている医薬品にも、シミを薄くする効果が期待できます。
シミの状況によっては、確実に薄くなるとは言い切れませんが、今後シミを悪化・増やさないためにも、セルフケアに医薬品を取り入れてみましょう。
②毎日のスキンケアを見直す
シミを悪化させないセルフケア方法2つ目は「スキンケアと基礎化粧品を見直す」ことです。
まず、スキンケアは美白成分が配合されているものをライン使いするようにして、以下の順番でスキンケアをしてみてください。
- クレンジングと洗顔でお肌を綺麗に
- 美白化粧水&乳液でうるおいケア!シミ・そばかすを防ぐ
- 美白マスク&パックでシミ・そばかすを二段階で防ぐ
- 美白美容液でお肌に更に美白成分を浸透させる
「シミにクレンジング?」と思われた人もいるかと思いますが、実はクレンジングで綺麗にメイクが落ちないまま放置したり、それを何度も繰り返したりしているとメイク料がお肌に残り、酸化してダメージを与えてしまいます。
そうなると、結果的にお肌がダメージを受けたり、ターンオーバーが正常に行われなくなりシミの原因になることも。
また、洗顔には古い角質を落としてお肌のサイクルを促す効果が期待できるので、どちらもしっかり行ってくださいね。その他にもしっかりと美白成分をお肌に届けるためには、手間暇を惜しまず、お肌を優しくケアしてあげましょう。
③UVケアを徹底する
シミを悪化させないセルフケア方法3つ目は「UVケアを徹底する」ことです。
最近では塗るタイプの日焼け止め以外にも、飲むタイプも販売されています。「いちいち塗るのが面倒」「あのニオイが嫌!」という人は、飲むタイプがおすすめです。
その他にも、気象庁ではUVインデックスと呼ばれる紫外線が人体に及ぼす影響の度合いを示す指標を元にした「紫外線情報」を公開しています。
毎日のお出かけ時に対策を立てることもできるので、ぜひ参照してみてください。
④食生活と生活習慣を見直す
最後に、シミを悪化させないセルフケア方法4つ目は「食生活と生活習慣を改めて見直す」ことです。
シミ対策には体の外側からだけではなくて、内側からのケアも大切です。
とはいえ「この食品はシミに効く!」という明確な食材はありませんが、シミを生成する原因となる活性酸素を防ぐ抗酸化物質が含まれている食材は多くあります。
以下の食材は抗酸化成分が多いものですので、ぜひ毎日の食事に取り入れてみてください。
抗酸化作用がある成分 | 食材 |
ビタミンC | 赤ピーマン 黄ピーマン ブロッコリー キウイフルーツ イチゴなど |
ビタミンA | 豚レバー バター 鶏の卵 にんじん(皮付き) ウナギなど |
ビタミンE | ナッツ類 モロヘイヤ しそ(葉) ほうれん草(ゆで) 調整豆乳など |
リコピン | トマト スイカ あんず マンゴーなど |
ポリフェノール | 赤ワイン 大豆 ココア そばなど |
L-システイン | 高野豆腐 卵 ブロッコリー ごまなど |
エラグ酸 | 赤ワイン ベリー系など |
フラボノイド | 緑茶 柑橘類 ブドウなど |
シミが消える簡単メイク術
シミはすぐには消えませんが、一時的にシミに対処できるメイクのコツがあります。以下の3つのポイントを意識してください。
- 肌に透明感を出す
- 肌を強くこすらない
- カバー力の高いファンデーションは白浮きの原因になるので注意
肌にシミがあると、どうしてもくすんだイメージになりがちです。そのため透明感を出すメイクを意識してみましょう。
また強く擦ってしまうと、新たなシミの原因になってしまいます。そしてカバー力の高いファンデーションは白く浮いてしまう「白浮き」の原因になるので注意してください。
またメイク前の保湿や日焼け止め対策も忘れずに心がけましょう。
それでは実際に、シミに対処できる簡単メイク術を紹介します。簡単にできるので、ぜひ実践してみてください。
①保湿・日焼け止めを塗ったらオレンジのコントロールカラーを塗って血色感UP
オレンジのコントロールカラーはシミを隠すのに効果的です。肌の中心から外側に塗り広げます。
シミやそばかすが気になる部分は、優しくポンポンと上から叩きながらのせましょう。
②コンシーラーでシミをピンポイントでカバー
コンシーラーはシミやそばかすが薄い場合はお肌の色に近い色を、濃い場合はややお肌の色より暗めを選ぶのがポイントです。
中心から外側にコンシーラーを優しく指でポンポンと広げていきます。
③ファンデーションで自然な見た目に
ファンデーションは乾いたスポンジでスタンプを押すようにポンポンと中心から外側に塗っていきます。
④フェイスパウダーで仕上げ
フェイスパウダーを上から置くように重ねてメイク崩れを防いだら、最後にパール系のハイライトを入れることで、カバー力がアップするのでおすすめです。
シミを消す簡単メイク術の豆知識
簡単メイク術は以上ですが、ここではコンシーラーの賢い選び方ちょっとした豆知識を解説します。
①コンシーラーには種類がある
実は、コンシーラーと一言にいっていつしても、種類が豊富なので「どれが良いんだろう」と悩んでしまうことも。そこで、どれが良いか悩んだら以下の表を参考にして選んでみてください。
コンシーラー | 特徴 |
スティック | 固めの質感 カバー力が高い 広範囲のシミには不向き 狭い範囲向け |
リキッド | チップまたはブラシで塗る ゆるいテクスチャは広範囲向け 固いタイプは狭い範囲向け |
クリーム | 保湿力が高い カバー力は低めだが、薄づきに仕上がる 広範囲向け |
パレット | 色が豊富なので、人それぞれに合ったカバー色が調整できる 狭い範囲向け 30代からのシミに向いている |
ペンシル | スティックタイプより細い スティックタイプより質感固め 小鼻や赤ニキビに特化 |
②お悩み別コンシーラーの使い分け
次は、お悩み別でコンシーラーの使い分け方を解説します。
お悩み | 回答 |
シミの色が濃い | 肌のトーンより暗めのコンシーラーがおすすめ |
シミの範囲が広くて大きい | クリームタイプやリキッドタイプなど、伸びが良いコンシーラーがおすすめ |
シミの範囲が小さくて散らばっている | それぞれのシミに、ピンポイントで塗れるペンシルやスティックタイプがおすすめ |
コンシーラーを持っていない | この場合、カバー力が高いファンデーションがおすすめ |
今持っているチークで隠したい | シミの色によっては、クリームチークなどを使用して血色良く仕上げる方法もあります。クリームチークとリキッドファンデーションの色味を混ぜて使うと、より自然な仕上がりになります。 |
コンシーラーは、シミ以外にもクマができたときなどにも使えますので、1本は所持しておくことをおすすめします。
シミ消しの気になる疑問を美容皮膚科医が解消
次はシミ消しの気になる疑問を、美容皮膚科医が解消していきます。
ここでは以下の疑問に対して回答していますので、ぜひ参考にしてみてください。
巷に流通しているシミ消しクリームなどは効果的?
市販や通販で販売されているシミ消しクリームの中には、効果を実感できるものもあります。しかし、かなり濃い状態のシミやそばかすなどはシミ消しクリームで確実な効果を得ることは難しいでしょう。
金銭的な面で迷ってしまう人もいるかと思いますが、確実性のある効果を実感したいならば、クリニックでの治療がおすすめです。
なぜシミを消す基礎化粧水がないの?
皆さんはハイドロキノンという成分を耳にしたことはありませんか?
ハイドロキノンは、肌の漂白剤と呼ばれるほど、美白効果が高いと言われている成分で海外では約20年前から使用されており、日本では2002年に認可されて、美容クリニックなどで使用されています。
最近では新型ハイドロキノンとして改良され、通販や市販でも購入できるようになりましたが、本来はとても強い副作用を持っている危険な成分です。
加えて「トレチノイン」という成分も、ハイドロキノン同様、強い副作用があります。
これから、シミを消すような効果を持った成分が改良されていけば、将来的に「これでシミが消える!」という化粧水が発売される可能性もあるでしょう。
しかし、現時点では、シミに効果のある成分の確実な安全性が確保できないため「シミの予防」の段階までが限界となっています。
シミを消すのにエステはあり?
結論から言えば、エステでシミを確実に対処することは難しいです。
もちろん、薄いシミなどであればエステでも薄くなったと効果が実感できる可能性もあります。
しかし、医療従事者が施術を行う美容クリニックと違い、エステの場合はお肌にトラブルが起きてしまっても施術を受けたエステ店舗で治療することはできず、改めて病院で受診しなければなりません。
シミを消す施術の中には、お肌が腫れたり赤みを帯びたりと「これ大丈夫なの?」と心配になる症状が現れる可能性もあるため、その点を踏まえても、安全性の高い美容クリニックでの施術がおすすめです。
シミを消すには美容皮膚科がおすすめ
今回は、顔のシミを消すためのセルフケア方法や、メイク方法など、シミ消しに関する情報を紹介しました。
できることならば、セルフケアでシミに対処したいものですが、美容皮膚科と比較して時間がかかってしまう難点や、全くシミが薄くならないという事態も考えられます。
その点、美容皮膚科の場合シミ消し以外にも、何かあったときのトラブルへ対応も万全なので、安心と確実性を求めるなら、美容皮膚科での施術がおすすめです。
シミへの治療法の詳細はこちら
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